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サーキュラーエコノミーの国別戦略まとめ|日本・EU・オランダ・ドイツ・アメリカを比べてわかること

国別のサーキュラーエコノミー戦略まとめ

サーキュラーエコノミー(循環経済)は、いまや多くの国が経済政策の柱に置くテーマです。ただ、同じ「循環経済」でも、国によって進め方はずいぶん違います。ルールで製品のつくり方を変えていく国、暮らしのしくみで回収を進める国、数値目標で引っぱる国。この記事では、EU・オランダ・ドイツ・アメリカ・日本の戦略を同じ目線で比べ、東京都・埼玉県の取り組みも合わせて、地域の企業にとって何が関係するのかをまとめます。各国の詳しい解説は、記事の中のリンクから個別の記事で読めます。

POINT
  1. EUは製品のルール、オランダは長期の数値目標、ドイツは「出さない」を最優先にする順位と回収のしくみ、アメリカはリサイクル率の目標が軸です

  2. 日本も2024年の第五次循環型社会形成推進基本計画などで、循環経済を国の方針として進めています

  3. 地域の企業にとっての入口は、東京都や埼玉県のような自治体の相談窓口や補助金です

目次
  1. 国別のサーキュラーエコノミー戦略を比べる
  2. EU:製品のつくり方そのものをルールで変える
  3. オランダ:2050年に向けて、段階的に目標を置く
  4. ドイツ:「出さない」を最優先にし、回収を暮らしに組み込む
  5. アメリカ:リサイクル率の目標で、全国のしくみを底上げする
  6. 日本:国の計画を軸に、身近な分野から進める
  7. 自治体の取り組み:東京都と埼玉県
  8. 国・自治体・企業、それぞれの役割
  9. よくある質問
  10. まとめ

国別のサーキュラーエコノミー戦略を比べる

まずは、5つの国と地域の戦略を「大きな方針」「中心になる仕組み」「特徴」の3つで並べます。

国別のサーキュラーエコノミー戦略の比較表

どの国も「捨てるものを減らす」という目的は同じです。違うのは、ルール・暮らしのしくみ・数値目標のどれを先頭に立てているかです。

EU:製品のつくり方そのものをルールで変える

EUは2020年3月に新しい「循環経済行動計画」を採択し、製品の設計から廃棄までを見直す方針を示しました(欧州委員会)。

その中心になるのが、製品の環境配慮のルール「ESPR(エコデザイン規則)」です。2024年7月に発効し、製品の情報をデジタルで持たせる「デジタル製品パスポート」のしくみも進んでいます。大きな企業は2026年7月19日から、売れ残った衣類や靴を廃棄することが禁じられました(アイルランド企業・貿易・雇用省)。EUに製品を輸出する企業にとっては、日本にいても関係するルールです。くわしくはEUのサーキュラーエコノミーの記事で紹介しています。

オランダ:2050年に向けて、段階的に目標を置く

オランダは、2050年に完全な循環経済になることを目指し、その途中の2030年には一次資源(新しく掘り出す資源)の利用を半分にするという目標を置いています。2016年の「A Circular Economy in the Netherlands by 2050」に始まり、2023年2月には2030年までの国のプログラムを公表しました(Holland Circular Hotspot)。

長い目標を決めたうえで、数年ごとにプログラムを更新していく進め方です。くわしくはオランダのサーキュラーエコノミーの記事をご覧ください。

ドイツ:「出さない」を最優先にし、回収を暮らしに組み込む

ドイツの循環経済法は、廃棄物の扱いに5段階の優先順位を決めています。いちばん上は「出さない(発生抑制)」で、次に再使用、リサイクル、エネルギーとしての利用、最後に処分と続きます(ドイツ連邦環境省)。

飲料の容器に預かり金を上乗せし、返すと戻ってくるデポジットのしくみも、暮らしの中に定着しています(ドイツ連邦政治教育センター)。2024年には、国としての循環経済戦略もまとめました(ドイツ連邦政府)。くわしくはドイツのサーキュラーエコノミーの記事で紹介しています。

アメリカ:リサイクル率の目標で、全国のしくみを底上げする

アメリカの環境保護庁(EPA)は2020年に、2030年までにリサイクル率を50%にするという国の目標を発表しました(EPA)。国全体で一律のルールをかけるというより、目標を示したうえで、州や都市ごとの取り組みが中心になっているのが特徴です。くわしくはアメリカのサーキュラーエコノミーの記事をご覧ください。

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日本:国の計画を軸に、身近な分野から進める

日本では、2024年に「第五次循環型社会形成推進基本計画」が閣議決定され、循環経済への移行を国の方針として位置づけました(環境省)。同じ年には関係閣僚会議も設けられ、国としての取り組みを加速させています。プラスチックや食品ロスなど、暮らしに身近な分野から取り組みが進んでいるのも日本の特徴です。くわしくは日本のサーキュラーエコノミーの記事で紹介しています。

自治体の取り組み:東京都と埼玉県

国の方針を、地域の企業が使える形にしているのが自治体です。

東京都:相談とマッチングの窓口をつくる

東京都は、東京都環境公社と連携して「東京サーキュラーエコノミー推進センター」を設けています。3Rアドバイザーによる相談、企業どうしのマッチング、交流の場、補助金などを用意しています(東京サーキュラーエコノミー推進センター)。くわしくは東京都のサーキュラーエコノミーの記事をご覧ください。

埼玉県:テーマ別の補助金で後押しする

埼玉県は2026年4月に、サーキュラーデザインのモデルづくり、食の分野の技術導入、再資源化の技術の高度化という3つの補助金を公表しました。いずれも上限は2,000万円です(埼玉県 2026年4月)。くわしくは埼玉県のサーキュラーエコノミーの記事で紹介しています。

国・自治体・企業、それぞれの役割

国が方向を決め、自治体が支え、企業が形にする。国別の戦略を見ると、この3つの役割分担が見えてきます。

国・自治体・企業それぞれの役割

地域の企業にとって、国の計画は少し遠く感じるかもしれません。まずは、地元の自治体の相談窓口や補助金を調べてみるのが近道です。

企業がどんな入口から循環に取り組んでいるかは、企業のサーキュラーエコノミー事例のまとめ記事で、ユニクロ・ナイキ・アディダス・小田急電鉄を比べています。

PlayBlueの取り組み

PlayBlueは、洋服の染め直しアップサイクルプラットフォーム「somete」で、着なくなった服を染め直し、もう一度着られるようにする取り組みを続けています。EUで売れ残った衣類の廃棄が禁じられたように、服を「捨てずに使い続ける」ことは、国を越えたテーマになっています。地域の染め工場と一緒に、身近なところから循環をつくっていきます。

よくある質問

Q. 国によってサーキュラーエコノミーの進め方はどう違いますか?

A. 大きく分けると、EUのように製品のルールで進める方法、ドイツのようにデポジットなど暮らしのしくみで進める方法、オランダやアメリカのように数値目標で引っぱる方法があります。実際には、多くの国がこれらを組み合わせています。

Q. EUのルールは日本の企業にも関係しますか?

A. EUで製品を販売する場合は関係します。ESPRは製品ごとに順次ルールが決まっていくため、輸出をしている企業や、EUの企業と取引のある企業は、早めに情報を集めておくと安心です。

Q. 地域の企業は、まず何から始めればいいですか?

A. 地元の自治体の支援を調べることから始めるのがおすすめです。東京都のように相談やマッチングの窓口がある自治体や、埼玉県のように補助金を用意している自治体もあります。そのうえで、自社の強みに近い入口を1つ選んで始めてみてください。

まとめ

サーキュラーエコノミーの国別戦略を比べると、EUはルール、オランダは長期目標、ドイツは優先順位と回収のしくみ、アメリカはリサイクル率の目標、日本は国の計画と身近な分野、というように、それぞれ軸が違います。地域の企業にとっては、国の動きを知ったうえで、自治体の支援を入口に、自社の事業でできることを1つ始めるのが現実的な一歩です。

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