「マーケティングが大事なのはわかっている。でも、社内に担当がいない」。地域の中小企業で、とてもよく聞くお悩みです。社長や店長が本業のかたわらでSNSを更新し、気づけば止まっている。そんな状態から抜け出すために、最初の3ヶ月で何をすればいいのかをまとめました。この記事のポイントマーケ担当がいない会社は、まず「いいものを言葉にする」ことから始めるのが近道です最初の3ヶ月は「言葉にする → 届け先を決める → 試して振り返る」の順で進めます人を採用しなくても、副業人材・外注・AIツールを組み合わせて始められますマーケ担当がいない会社で、よく起きていること担当がいない会社では、マーケティングが「手が空いたらやること」になりがちです。よくあるのは、次のような状態です。SNSやブログを始めたものの、何を書けばいいかわからず止まっているホームページはあるけれど、何年も更新していないチラシや広告を出してみたが、効いたのかどうかわからない「うちの良さ」を聞かれると、うまく説明できないどれも、やる気やセンスの問題ではありません。多くの場合、「何を・誰に・どこで」伝えるかが決まっていないまま、手を動かし始めてしまっていることが原因です。逆に言えば、そこさえ決まれば、少ない時間でも続けられるようになります。最初の3ヶ月の全体像最初の3ヶ月は、大きく3つの段階に分けて考えると進めやすくなります。3ヶ月で売上を大きく伸ばすのは、正直なところ難しいことも多いです。最初の目標は「次の3ヶ月に何をするかが、自分たちで見える状態」をつくること。ここができると、その先がぐっと楽になります。1ヶ月目:いまある「いいもの」を言葉にする最初の1ヶ月は、外に向けて発信する前の準備期間です。焦って投稿を増やすより、ここを丁寧にやるほうが、結果的に近道になります。いまの売上と、お客さまを書き出すまずは、どの商品やサービスが、どんなお客さまに、どれくらい売れているのかを書き出します。細かい分析は要りません。「よく買ってくれる人は、どんな人か」「どこで知ってくれたのか」を、思いつく範囲で並べてみるだけで十分です。「選ばれている理由」を3つにしぼる次に、お客さまがほかではなく自分たちを選んでくれている理由を考えます。常連さんにひとこと聞いてみるのもおすすめです。作り手が当たり前だと思っていることが、実はいちばんの魅力だった、ということはよくあります。理由は3つくらいにしぼると、伝えるときに迷わなくなります。ひとことで伝わる紹介文をつくる最後に、自分たちのことを「ひとこと」と「3行」で紹介できるようにしておきます。この紹介文が、SNSのプロフィールにも、ホームページにも、展示会のチラシにも使える土台になります。紹介文は、次の型にあてはめると作りやすくなります。ひとこと:「(地域)で(年数)、(何を)つくっている(会社・お店の名前)です」3行:①誰に ②何を ③ほかとの違い(選ばれている理由)たとえば架空の製麺所なら、「創業70年、天日干しの細うどんをつくる製麺所です。贈り物を探している方に、5分でゆであがる手延べうどんを届けています。昔ながらの天日干しで、コシとのどごしが続くのが選ばれている理由です。」のようになります。2ヶ月目:届け先と、届け方を決める言葉ができたら、次は「誰に」「どこで」届けるかを決めます。いちばん届けたい相手を1つに「全員に届けたい」と考えると、言葉がぼやけてしまいます。まずは、いちばん大事にしたいお客さまを1つ決めましょう。たとえば「近所に住む子育て世代」「贈り物を探している30〜40代」のように、顔が浮かぶくらい具体的にするのがコツです。使う場所を1〜2つにしぼるInstagram、X、LINE、ホームページ、Googleマップ、チラシ。届ける場所はたくさんありますが、担当がいない会社が全部やるのは現実的ではありません。届けたい相手がよく見ている場所を、1〜2つだけ選びます。月の作業量を、先に決めておく続かない原因のほとんどは、「やれるときにやる」になってしまうことです。「週に1回、木曜の朝に30分」のように、作業の時間を先に決めておくと、無理なく続けられます。3ヶ月目:小さく試して、数字で振り返る3ヶ月目は、決めた場所で実際に出してみて、反応を見る期間です。決めた場所で、毎週出してみる(完璧を目指さなくて大丈夫です)反応を数字で見る(問い合わせの数、来店のきっかけ、保存やクリックの数など)うまくいったこと・いかなかったことを書き出し、次の3ヶ月の作戦を立て直す見る数字は、最初は2〜3個で十分です。大事なのは、数字を見て「次はこうしてみよう」と決めること。この繰り返しが、社内にマーケティングの型として残っていきます。場所ごとに見る数字の例Instagram:保存数、プロフィールへのアクセス、リンクのクリックやDMGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール):経路の検索、電話、ウェブサイトへのクリックホームページ:問い合わせの数、よく見られているページチラシ・店頭:来てくれたお客さまに「何で知りましたか?」とひとこと聞く業種別:3ヶ月の進め方の例同じ3ヶ月でも、業種によって「誰に」「どこで」「何を見るか」は変わります。よくある3つの業種で、進め方の例をまとめました。ポイントは、どの業種でも「届け先を1つに絞る」「使う場所を絞る」「見る数字を決める」の3つが入っていることです。外の力を借りるなら、どう選ぶ?担当を置けない会社でも、外の力を借りてマーケティングを進めることはできます。選び方の目安をまとめました。最近は、副業でマーケティングを手伝う人材も増えています。ただ、頼む前に「何を任せたいのか」「どこまでを自分たちでやるのか」が決まっていないと、お互いに動きにくくなってしまいます。1ヶ月目・2ヶ月目で考えたことを手元に置いておくと、誰に頼むときにも話が早く進みます。よくあるつまずきと、その対策全部のSNSを始めてしまう:続かなくなる一番の原因です。まずは1〜2つに絞りましょう。商品の説明ばかりになる:お客さまが知りたいのは「自分にとって何がいいか」です。使う場面や、選ばれている理由を伝えましょう。反応がないとすぐやめてしまう:最初の数週間は、反応が少なくて当たり前です。3ヶ月は続けて、数字の変化を見てから判断しましょう。担当者ひとりに任せきりになる:社長や職人さんの言葉が入ると、伝わり方が変わります。月に一度、短い時間でも一緒に振り返る場をつくるのがおすすめです。よくある質問Q. SNSは全部やったほうがいいですか?A. いいえ。担当がいない会社は、届けたい相手がよく見ている場所を1〜2つにしぼるほうが、続けやすく、結果も出やすいです。Q. 予算がほとんどありません。何から始めればいいですか?A. お金をかけずにできるのは、1ヶ月目の「言葉にする」作業です。紹介文と選ばれている理由が決まるだけで、いまあるSNSやホームページの伝わり方が変わります。Q. 3ヶ月やっても成果が出なかったら?A. 3ヶ月は「何が効くかを知る期間」と考えてください。反応がなかったことも大事な手がかりです。届け先や伝え方を少し変えて、次の3ヶ月で試してみましょう。まとめマーケティング担当がいない会社でも、最初の3ヶ月を「言葉にする → 届け先を決める → 試して振り返る」の順で進めれば、無理なく始められます。いきなり完璧を目指さず、まずは自分たちの「いいもの」をひとことで言えるところから始めてみてください。