ゼロウェイストとは?|意味と6R、上勝町の事例と、地域の企業が始める3ステップ

「ゼロウェイスト」という言葉を、店先やニュースで見かけることが増えました。でも、「ごみを出さない」と聞くと、地域の会社やお店にはハードルが高く感じられるかもしれません。この記事では、ゼロウェイストの意味と6Rの考え方、日本で最初に宣言した徳島県上勝町の事例、そして地域の企業が無理なく始められる順番をまとめました。
ゼロウェイストは、ごみを「うまく処理する」より先に、ごみになるものを「出さない」ことを目指す考え方です
6R(断る・減らす・くり返し使う・直す・資源に戻す・土に返す)は、上から順に考えるのが基本です
地域の企業は「はかる → 1つやめる → 伝える」の順で始めると、毎日の仕事のなかで続けやすくなります
目次
ゼロウェイストとは?ごみを「出さない」ことから考える取り組み
ゼロウェイスト(Zero Waste)は、直訳すると「廃棄物ゼロ」。燃やしたり埋めたりするごみをなくすことを目指して、ものをつくる・使う・手放すまでの流れ全体を見直す考え方です。国際的な団体ゼロ・ウェイスト・インターナショナル・アライアンス(ZWIA)は、製品や包装、素材を責任をもって生産・消費・再使用・回収し、燃やさず、環境や人の健康をおびやかす排出をしないことで、すべての資源を守ること、と定義しています。
ポイントは、「出たごみをどう処理するか」より前に、「そもそもごみになるものを出さない」ことに重心があることです。分別してリサイクルするのも大切ですが、それは6Rのなかでは後ろのほうに置かれています。
日本のごみの今:1人1日851グラム、リサイクル率19.5%
日本の状況も見ておきます。環境省の「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)」によると、家庭やお店などから出るごみの総排出量は3,897万トンで、1人1日あたりにすると851グラムでした。前の年より減ってはいるものの、リサイクル率は19.5%と、ここ数年ほぼ横ばいです。
リサイクルの割合を上げるのには限りがあります。だからこそ、出す量そのものを減らすゼロウェイストの考え方が、自治体や企業のあいだで見直されています。
ゼロウェイストの6R|上から順に考える
ゼロウェイストでは、よく知られた3R(リデュース・リユース・リサイクル)に、リフューズ(断る)・リペア(直す)・ロット(土に返す)を加えた「6R」がよく使われます。大事なのは、上から順に考えることです。

リサイクルは大切ですが、6Rの中では後ろのほうです。まず「断る・減らす」で、ごみになるものを出さないことから考えます。
たとえば飲食店なら、「使い捨てのおしぼりをやめる(断る)」「仕入れの量を見直す(減らす)」「持ち帰り容器を返却式にする(くり返し使う)」のように、上から当てはめていくと、できることが見えてきます。
上勝町の事例:宣言から20年、町の店や宿も一緒に
日本でゼロウェイストといえば、徳島県上勝町です。nippon.com の記事によると、上勝町は2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行いました。いまは13品目45分別でごみを分けていて、2016年度のリサイクル率は81%と、全国平均を大きく上回っています。
上勝町の取り組みで注目したいのは、町の事業者も一緒に動いていることです。同じく nippon.com の記事では、町内の飲食店を対象にした「ゼロ・ウェイスト認証制度」が紹介されています。認証を受けたカフェでは、規格外の食材を使う、使い捨てのおしぼりをやめる、持ってきた水筒にお茶を入れる、といった取り組みを続けています。
2020年にできた「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」には、町の人がいらなくなったものを持ち込み、ほかの人が無料で持ち帰れる「くるくるショップ」や、ゼロウェイストの暮らしを体験できる宿泊施設「HOTEL WHY」もあります。ごみを減らす取り組みそのものが、町を訪れる理由になっているのです。
地域の企業がゼロウェイストを始める3ステップ
上勝町のように町ぐるみでなくても、1つの会社やお店から始めることはできます。おすすめは、次の3ステップです。

大きな設備がなくても始められます。はかって、1つやめて、伝える。この順番なら、店や工場の毎日の仕事のなかで続けられます。
1. はかる:何がどれだけ出ているかを知る
まずは1週間、出ているごみを種類ごとに書き出してみます。重さをはかれればいちばんですが、袋の数でもかまいません。いちばん多いものが、最初に手をつけるところです。
2. 1つやめる:続けられるものから
次に、6Rを上から当てはめて、やめられるものを1つ選びます。使い捨ての容器、過剰な包装、売れ残りが出やすい仕入れなど。全部を一度に変えようとせず、スタッフが無理なく続けられるものから始めます。
たとえば、こんな会社(架空の例):地方の老舗の和菓子店。1週間はかってみると、贈答用の個包装と化粧箱のごみがいちばん多かった。そこで、自宅用には個包装なしの「量り売り」を用意し、贈答用の箱は回収して次に使えるようにした。
3. 伝える:数字と一緒に
取り組みは、伝えてはじめて選ぶ理由になります。「何を、なぜ、どれだけ減らしたか」を、店頭やSNS、ホームページで伝えます。「環境にいい」と言うだけより、「1ヶ月でレジ袋を○枚減らしました」のように数字があるほうが、信頼されやすくなります。
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ゼロウェイストを伝えるときに気をつけたいこと
取り組みを伝えるときは、実際よりも大きく見せないことが大切です。「ゼロウェイストのお店」と言い切るより、「いまはこれに取り組んでいて、次はこれを目指している」と、途中であることも正直に伝えるほうが、お客さまにも長く応援してもらえます。
よくある質問
Q. ゼロウェイストと3Rは、何が違いますか?
A. 3R(リデュース・リユース・リサイクル)は、ごみを減らすための基本の考え方です。ゼロウェイストは、そこに「断る・直す・土に返す」を加え、ごみを出さない仕組みを目指すところまで含めた考え方です。
Q. 小さなお店でも、ゼロウェイストに取り組めますか?
A. 取り組めます。まずは1週間ごみをはかり、いちばん多いものを1つ減らすところからで十分です。上勝町の飲食店のように、おしぼりや持ち帰り容器を見直すだけでも、ごみは目に見えて減ります。
Q. 取り組みは、どう伝えればいいですか?
A. 「何を・なぜ・どれだけ」を数字と一緒に伝えるのがおすすめです。まだ途中の取り組みでも、次に目指していることと合わせて正直に伝えると、信頼につながります。
まとめ
ゼロウェイストは、ごみを上手に処理することより先に、ごみになるものを出さないことを目指す考え方です。6Rを上から順に考え、はかって、1つやめて、伝える。この順番なら、地域の会社やお店でも、毎日の仕事のなかで始められます。
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