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求人に応募が来ない|中小企業が採用を立て直す、最初の3ヶ月の順番

求人に応募が来ない|中小企業が採用を立て直す、最初の3ヶ月の順番

「求人を出しているのに、応募が来ない」「来ても、思っていた人と違う」。採用担当がほかの仕事と兼務している会社で、とてもよく聞く悩みです。条件を上げるか、媒体を変えるか、スカウトを始めるか。迷っているうちに、また同じ求人票を出し直してしまう。この記事では、求人に応募が来ないときに見直したいところを、「最初の3ヶ月」の順番で整理しました。

POINT
  1. 応募が来ない原因は、条件より「なぜこの会社で働くのか」が求人票の言葉になっていないことが多いです

  2. 最初の3ヶ月は「働く理由を一文と3行にする → 求人票と出す場所を決める → 出して数字で振り返る」の順で進めると迷いにくくなります

  3. 出す場所は全部ではなく1〜2つに。応募してくれた人に「決め手」を聞くと、次に直すところが見えてきます

目次
  1. 求人に応募が来ないのは、会社だけのせいではありません
  2. 求人票を書き直して、応募が月1名から8名に増えた例
  3. 採用を立て直す、最初の3ヶ月の順番
  4. 職場見学やSNSで、働く様子を見せる
  5. 採用で、つまずきやすいところ
  6. よくある質問
  7. まとめ

求人に応募が来ないのは、会社だけのせいではありません

まず、いまの採用の状況を見ておきます。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」では、有効求人倍率(季節調整値)は1.19倍、新規求人倍率は2.19倍でした。ハローワークに新しく出た求人の数が、新しく仕事を探しはじめた人の数のおよそ2倍ある、ということです。

働く人から見ると、求人は選べるほどある状態です。同じ地域・同じ職種の求人が並ぶなかで、「どこも同じに見える」求人票は、見られても応募まではされにくくなります。応募が来ないのは、会社に魅力がないからではなく、その魅力が求人票の言葉になっていないことが多いのです。

たとえば、こんな状態になっていないでしょうか。

  • この会社で働く理由を、一文で言えない

  • 求人票に「アットホームな職場」「やる気のある方歓迎」と書いている

  • 求人媒体・スカウト・SNS、どれから手をつけるか決まらない

  • 面接で、社長と現場で話すことがばらばら

  • 入社後の1日や、最初の3ヶ月の様子を見せていない

どれも、担当の方の力不足ではありません。忙しいなかで、「誰に・何を・どこで伝えるか」を決める時間がとれていないだけです。逆に言えば、そこを決めれば、少ない時間でも採用は立て直せます。

条件を上げる前に、「なぜこの会社で働くのか」が求人票の言葉になっているかを見直すと、届く人が変わります。

求人票を書き直して、応募が月1名から8名に増えた例

求人票の言葉を変えるだけで、応募が変わった例があります。厚生労働省がまとめた「求人票の改善事例集」(令和8年3月)には、ハローワークの窓口で求人票を見直した会社の例が載っています。

そのひとつが、埼玉県の建設用金属製品をつくる会社(従業員約200人)です。仕事内容の欄を、専門用語をなるべく使わずに、何をする仕事なのかが具体的に伝わるように書き直したところ、月1名ほどだった応募が、月8名ほどに増えたそうです。

ほかにも、新潟県の設備工事の会社(約20人)は、求人票の冒頭に会社の訴求点を置いて現場の写真を載せ、約1か月で2名を採用。神奈川県の管工事の会社(10人未満)は、給与の水準はそのままに仕事内容を充実させ、4名の応募から3名を採用しています。

愛知県の専門サービスの会社(約20人)は、職種の欄を誰が見てもわかる名前に変え、働きやすさを具体的に書いたことで、2か月で計17名の応募がありました。兵庫県の介護の会社(約150人)は、仕事内容の「最初の3行」に伝えたいことを集めて書き直し、2か月で1名を採用しています。求人票は、上から順に全部読まれるとは限りません。最初の数行で「自分に関係がある仕事だ」と思ってもらえるかどうかが、応募の分かれ目になります。

どの会社も、条件を大きく変えたわけではありません。変えたのは、「どんな仕事で、どんな人に来てほしいか」の伝え方です。同じ事例集では、職種・仕事内容・会社の特長・求める人物像などの欄を、空けずに具体的に書くことがすすめられています。

採用を立て直す、最初の3ヶ月の順番

ここからは、採用担当が兼務でも進められるように、3ヶ月を1ヶ月ずつに分けて見ていきます。

ゴールは3ヶ月で必ず採用することではなく、誰に何が届いているかがわかり、次に直すところが見えている状態です。

1ヶ月目:働く理由を「一文と3行」にする

最初の1ヶ月は、求人票を書く前の準備です。いま働いている社員に「なぜこの会社で働いているのか」「入ってよかったと思ったのはいつか」を聞いてみてください。給与や休みの話だけでなく、「ここでしかできない仕事」の話が出てきたら、それが求人票の一行目の材料になります。

集めた言葉をもとに、「__が好きな人と、__な仕事をつくる会社」の形で一文にし、選ばれる理由を3行にまとめます。あわせて、入ってほしい人を「20代」「経験者」のような幅ではなく、具体的なひとりの姿で書いておくと、あとで迷いません。最後に、社長・現場・採用担当で、この一文と3行をそろえておきます。面接で話すことがばらばらになるのを防げます。

たとえば、こんな会社(架空の例):地方の食品工場で、ライン作業の求人に応募が来ない。社員に聞くと「自分がつくったお菓子を、地元のスーパーで家族が買ってくれるのが誇らしい」という声が多かった。そこで一文を「地元の人が毎日食べるお菓子を、自分の手でつくる会社」に変え、求人票の一行目に置いた。

この1ヶ月目の進め方は、TSUMUGU for Recruit のチェックシートに、書き込める形でまとめています。社員に聞く質問から使えるので、手元に置いて進めてみてください。

2ヶ月目:求人票と、出す場所を決める

2ヶ月目は、1ヶ月目にそろえた言葉で求人票を書き直します。見直したいのは次の4つです。

  • 一行目:「アットホーム」ではなく、会社の一文から書きはじめる

  • 仕事内容:専門用語を避け、1日の流れと、入社後3ヶ月でどんなことをするかを書く

  • 合う人:合う人だけでなく、合わないかもしれない人も正直に書く

  • 条件:給与・時間・休日・福利厚生の欄に抜けがないか確かめる

「合わないかもしれない人」を書くのは勇気がいりますが、入社後の「思っていたのと違う」を減らすことにつながります。働く人にとっても、正直に書いてある求人票は信頼しやすいものです。

あわせて、求人を出す場所を1〜2つにしぼります。求人媒体、ハローワーク、スカウト、社員紹介、採用ページ、SNSや職場見学。それぞれ向いている場面と、見ておきたい数字が違います。

全部に出さなくて大丈夫です。届けたい人がいる場所から1〜2つ選び、見る数字を先に決めておきます。

たとえば、こんな会社(架空の例):社員15人の工務店。これまで有料の求人媒体だけに出していたが、届けたいのは「地元で長く働きたい大工さん」。そこで、ハローワークと社員紹介の2つにしぼり、現場の写真と1日の流れを載せた採用ページをつくって、どちらからもそこへ案内するようにした。

3ヶ月目:出して、数字で振り返る

3ヶ月目は、決めた場所に求人を出して、反応を見ます。見る数字は2〜3個で十分です。たとえば「求人票の閲覧数と、どこから見られたか」「応募数」「面接や職場見学の数」。スカウトを使うなら返信率も見ておきます。

数字と同じくらい大事なのが、応募してくれた人に「求人票のどこを見て応募したか」を聞くことです。一行目の言葉なのか、1日の流れなのか、写真なのか。応募の決め手がわかると、次に直すところがはっきりします。

面接では、1ヶ月目の一文と3行をもとに、会社の紹介を3分ほどで話せるようにしておくと、誰が面接しても同じことが伝わります。最後に、3ヶ月の結果をもとに、次の3ヶ月で直すところを決めます。

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職場見学やSNSで、働く様子を見せる

求人票だけでは伝えきれないのが、職場の空気です。とくに未経験の人を迎えたい会社では、「どんな人と、どんな場所で働くのか」が見えるだけで、応募のハードルが下がります。

大がかりな準備はいりません。月に1回の職場見学の日を決めて求人票に書いておく、現場の1日を写真で数枚SNSに載せる、社員のひとことを採用ページに載せる。どれも、1ヶ月目に社員から聞いた言葉がそのまま材料になります。見学に来た人に「どこで知ったか」を聞いておけば、3ヶ月目の振り返りにも使えます。

採用で、つまずきやすいところ

最後に、3ヶ月のあいだにつまずきやすいところをまとめておきます。

  • すぐに条件を上げてしまう:給与を上げても、何をする仕事か伝わっていなければ応募は増えにくいです。まずは言葉を見直してからでも遅くありません

  • 出す場所を一度に増やす:管理が追いつかず、どこが効いたのかもわからなくなります

  • 応募が来ない期間を「失敗」と考える:何が届いて、何が届いていないかを知る期間だと考えると、次の手が打ちやすくなります

よくある質問

Q. チェックリストの項目は、全部やるべきですか?

A. いいえ。いまの会社でいちばん足りていないところから、1〜2つ選んで始めれば十分です。多くの場合、1ヶ月目の「働く理由を一文にする」から始めると、そのあとが進めやすくなります。

Q. 採用担当がほかの仕事と兼務で、時間がとれません。

A. 週に少しずつで大丈夫です。たとえば1週目は社員3人に話を聞く、2週目は一文を書いてみる、のように、1回30分ほどの作業に分けると続けやすくなります。

Q. 3ヶ月やっても応募が来なかったら、どうすればいいですか?

A. 3ヶ月は、何が届いて何が届いていないかを知るための期間です。閲覧はされているのに応募がないなら求人票の中身を、そもそも見られていないなら出す場所を見直します。数字を見ておけば、次に直すところが決められます。

まとめ

求人に応募が来ないとき、最初に見直したいのは条件ではなく、「なぜこの会社で働くのか」が言葉になっているかどうかです。働く理由を一文と3行にし、求人票と出す場所を決め、出して数字で振り返る。この順番で3ヶ月進めると、誰に何が届いているかが見えてきます。

この記事の流れを書き込める形にしたTSUMUGU for Recruit のチェックシートは、無料でダウンロードできます。地域の企業や新規事業向けのチェックシートは、資料ダウンロードの一覧からどうぞ。

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